大規模成長投資補助金を活用した工場・倉庫建設
本記事では、2024年に新たに創設された超大型補助制度「大規模成長投資補助金」についてご紹介します。
大規模成長投資補助金は、補助上限50億円の超大型補助制度です。工場、倉庫、事務所などの建設、増築、改修や、中古建物の取得に要する経費に使うことができます。
2024年6月21日に、第1回採択者が発表になりました。
これから申請を検討する方は、第2回公募<6月26日(水)~8月9日(金)17時締切>に向けた対策が必要です。
第2回公募の詳細はこちら →補助金詳細 | jGrants ネットで簡単!補助金申請 | jGrants (jgrants-portal.go.jp)
工場・倉庫の設備投資は、事業の拡大や生産性の向上に大きな効果をもたらします。設備投資には多額の資金が必要になるため、補助金の活用を進めていきましょう。
目次
5-5.大規模成長投資補助金の事業計画・審査のポイント
5-6.大規模成長投資補助金のポイント
大規模成長投資補助金とは?
図.大規模成長投資補助金イメージ
「大規模成長投資補助金」は、正式には「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」と言います。
中堅・中小企業が生産性の向上と持続的な賃上げを実現するための設備投資を支援する補助金です。
補助上限は50億円と非常に大規模で、工場、倉庫、事務所の建設、増築、改修、中古建物の取得に要する経費など、幅広い用途に使うことができます。
この補助金は、特に地域の雇用を支える中堅・中小企業にとって、人手不足や事業規模の拡大という課題に対する有効な支援策となります。
企業の大規模投資を促進することで、地方における持続的な賃上げを実現することを目的としています。
大規模成長投資補助金(第1回)の採択結果概要
2024年3月上旬に開始された第1次公募は、採択結果が発表になりました。
<第1次公募のスケジュール>
3月6日 :1次公募 開始、サポートセンター開設
4月30日 :1次公募 締切
5月20日 :1次採択者発表
6月初旬:プレゼンテーション審査(申請企業の経営者等が出席)
6月21日 :採択発表
1次公募の有効申請件数は736件でした。
定量面での評価を行う書面(1次)審査は254件が通過しています。
計画の蓋然性を審査するプレゼンテーション(2次)審査に進み、最終的に、109件が採択されました。(採択倍率は約6.8倍)
採択者の総補助金額(上限)は1,780億円です(申請時の総投資予定額は5,892億円)。
採択者の平均投資予定額は約54億円、平均目標賃上げ率の中央値は4.3%と、高い目標水準の事業が採択となりました。
大規模成長投資補助金(第1回)採択結果の傾向
表.採択者の本社所在地
採択企業では、東京都、愛知県、大阪府が多く、都市部の採択率が高い結果となりました。
ただし、他の地域も一定数の採択数が見られることから、全体的にバランスよく採択されていることが分かります。
表.採択者の業種
業種別では、電子機器、機械製造、金属製造、食品製造、化学製品の製造業が多くなっています。
次いで、IT、サービス、金属加工、医薬品が続いています。物流や建設は1~2件と少なくなっています。
表. 採択者の成長投資計画名の頻出キーワードランキング
採択者の成長投資計画名では、「新工場建設」や「生産性向上」、「自動化」、「設備投資」、「省力化」などのキーワードが頻出キーワード上位を占めています。
製造工場の生産性向上や省力化を図るために、製造ラインの自動化をはじめ、設備投資、新工場を建設する計画であることが分かります。
大規模成長投資補助金2次審査の課題と対策
大規模成長投資補助金では、2次審査のプレゼンテーションがあります。
これから、第2回以降の公募でチャレンジする企業に向けて、2次審査に向けた課題と対策を解説します。
1)プレゼンテーションのポイント
プレゼンテーションは審査員に企業のビジョンや計画の実現可能性を効果的に伝える場です。そのため、以下のポイントに注意する必要があります。
<プレゼンテーションのポイント>
①明確なビジョンと戦略:企業の長期的なビジョンとそれに基づく戦略を明確に示すことが重要です。
②具体的な計画:補助金を活用した具体的な計画を詳細に説明し、実現可能性を強調します。
③定量的データ:データに基づいた計画の裏付けを行い、計画の信頼性を高めます。
2)Q&Aの準備
審査員からの質問に対して適切に答えられるよう、予測される質問とその回答を事前に準備することが重要です。
まずは、過去の審査でよく出る質問や、自社の計画に特有の質問をリストアップします。その後、各質問に対して、具体的で明確な回答を用意します。
3)経営者のプレゼンテーション練習
2次審査では、経営者自身がプレゼンテーションを行う必要があります。このため、本番に向けてプレゼンテーションの練習は欠かせません。
<プレゼンテーション練習のポイント>
①スライドの構成:スライドの構成を練り直し、視覚的に分かりやすい資料を作成します。
②練習の繰り返し:プレゼンテーションの練習を繰り返し行い、スムーズに話せるようにします。
③フィードバックの活用:練習の際には第三者からのフィードバックを受け、改善を図ります。
大規模成長投資補助金(第2回)について
第2回公募のスケジュールは、6月26日(水)~8月9日(金)17時までを予定しています。
第2回公募の公募概要を以下に整理します。
大規模成長投資補助金は、中堅・中小企業が生産性の向上と持続的な賃上げを実現するために必要な設備投資を支援します。
最大50億円の補助を受けられるため、大規模な工場・倉庫建設の投資なども可能になります。
表.補助事業の概要
補助金上限50億円と予算額3,000億円から、単純計算で採択件数は300件程度と推測できます。
実際の採択件数は、申請件数や採択率、補助金の申請額など、事務局判断で大きく左右されるため、正確な予測はできませんが、事業再構築補助金やものづくり補助金に比べると採択件数は多くはないと考えられます。
2)大規模成長投資補助金の補助対象経費について
大規模成長投資補助金の対象経費は、建物費、機械装置費、ソフトウェア費、外注費、専門家経費に使えます。詳細は、以下の通りです。
表.補助対象経費
補助対象経費は、補助事業のために実際に必要となる費用のみとなります。
工場、倉庫、事務所などの建設、増築、改修や、中古建物の取得に要する経費に使うことができますので、今年、新たに工場、倉庫、事務所建設などを計画していた企業様には絶好の機会と言えます。
補助対象は、中堅・中小企業(常時使用する従業員数が2,000人以下の会社等)です。会社や個人以外では、以下の法人が対象になります。
<会社・個人以外で補助対象となり得る法人>
①企業組合
②協業組合
③事業協同組合、事業協同小組合、協同組合連合会
④商工組合・連合会
⑤水産加工業協同組合・連合会
⑥技術研究組合
⑦商店街振興組合・連合会
⑧生活衛生同業組合、生活衛生同業小組合、生活衛生同業組合連合会
⑨酒造組合・連合会・中央会
⑩酒販組合・連合会・中央会
⑪内航海運組合・連合会
⑫法人税法別表第2に該当する者(一般財団法人、一般社団法人、社会福祉法人など)
⑬農事組合法人
⑭労働者共同組合
⑮法人税法以外の法律により公益法人等とみなされる法人
(特定非営利活動法人(NPO法人)等)
なお、中堅・中小企業であっても、次のいずれかに該当する中堅・中小企業については、大企業とみなして補助対象外となりますので注意が必要です。
<みなし大企業の要件について>
①発行済株式の総数又は出資金額の2分の1以上が同一の大企業(外国法人含む)の所有に属している法人
②発行済株式の総数又は出資金額の3分の2以上が複数の大企業(外国法人含む)の所有に属している法人
③大企業(外国法人含む)の役員又は職員を兼ねている者が役員総数の2分の1以上を占めている法人
④発行済株式の総数又は出資金額の総額が①~③に該当する法人の所有に属している法人
⑤①~③に該当する法人の役員又は職員を兼ねている者が役員総数の全てを占めている法人
※大企業:常時使用する従業員数が2,000人超の会社等
事業計画は、①経営力、②先進性・成長性、③地域への波及効果、④大規模投資・費用対効果、⑤実現可能性から、事務局の審査が行われます。
このため、下記のポイントを中心に、事業計画書を推敲していく必要があります。
表.事業計画・審査のポイント
注目すべきは、企業全体における成長ビジョン(長期経営計画)を含めた事業計画の策定が必要な点です。
単体事業だけではなく、企業の数年先の数値目標や戦略が必要です。補助事業が企業の成長にどのように貢献するかを、定量的なデータに基づいて説明していきましょう。
表.補助事業のポイント
工場・倉庫建築に関する補助金のサポート
以上、本記事では、大規模成長投資補助金についてご紹介しました。
工場・倉庫の設備投資は、事業の拡大や生産性の向上に大きな効果をもたらします。設備投資には多額の資金が必要になるため、補助金の活用が有効です。
伊藤忠丸紅住商テクノスチールでは、工場・倉庫建築に関する事業計画や設備投資計画の策定、投資対効果シミュレーションを行います。
また、パートナー企業と連携して、中小企業の設備投資などの補助金申請もサポートします。
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工場や倉庫の新築や増改築、解体、遊休資産の有効活用などに関するさまざまなニーズにお応えできますので、お気軽にお問い合わせください。
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伊藤忠丸紅住商テクノスチール株式会社
設立 | 1963年5月31日 |
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資本金 | 30億円 |
従業員 | 400名(派遣社員、嘱託、委託社員等を含む)(2020年4月現在) |
株主 | 伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社 66.7%、住友商事グループ 33.3% |
取扱商品 | 鉄鋼製品、建築用・土木用・道路舗装用・設備機器用の資機材類の販売、各種工事請負等 |
取引銀行 | みずほ銀行 日本橋支店 三井住友銀行 日本橋支店 三井住友信託銀行 本店営業部 |
建設業許可 | 国土交通大臣許可(特-3)第10910号 建築工事業 国土交通大臣許可(般-3)第10910号 大工工事業、とび・土工工事業、石工事業、屋根工事業、タイル・れんが、ブロック工事業、 鋼構造物工事業、鉄筋工事業、板金工事業、ガラス工事業、塗装工事業、内装仕上工事業、建具工事業 |
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